“ありがとう”に感謝

あしかが子育て応援ネット 代表 大島裕子

7回目の子育て情報誌を発行でき、ご支援ご協力いただいております皆さまに、心から感謝申し上けます。長くボランティアを続けておりますと、やっていることが本当に役立っているのか、自己満足に過ぎないのではないかと不安に思うことがあります。

今回、その不安を払拭してくれるようなうれしいことかありましたので、紹介させていただきます。3年ほど前教育委員会から依頼を受け、ハンディを持っている小学生の学校支援ボランティアを昨年の4月まで2年間行いました。

1年目は毎日1時間ほど給食と昼休みそして掃除の時間に、2年目は週3回5時間目の総合的な学習の時問に入リました。私どもも他の子ど右連と右仲良くなリ、楽しい時間を過ごしました。

昨年の5月、専任の方が付<ようになって、我々は任務終了となりましたが、彼のその時の気持ちを喜いた作文が青少年作文の特選になったとの連絡をいただき、表形式の晴れの姿を拝見して参りました。

体の大きくなった彼にびっ<リし、まっすぐに成長した彼の心に感動し,ボランティアをしていてよかったと素直に思いました。

ここに、喜びと活動の意欲を下さった彼に感謝し,彼の作文を紹介させていただきます。


がってん隊とぼく
  山前小四年 阿部正太郎

がってん隊とは、ぼくの学校生活を支えて下さったボランティアの皆さんのことです。

初めに、ぼくについてお話します。ぼくは、脳性マヒという病気で、生まれつき手足の自由がうまくきかずに自力では歩く事ができない、という障害をもっています。障害があっても姉が通い、大勢の友達と過ごしたくて、たくさんの先生にお願いをして、山前小学校に入学する事ができました。何をするにも他の子の何倍もの時間がかかってしまうぼくには、元気に通うというより、必死に通うという方がぴったりでしたが、いつも先生や友達にはげまされて「よし、がん張ろう。」という気持ちになれました。一年があっという間に過ぎて、二年生になった時、いっしょに通っていたお母さんが、うれしそうに、
 「ボランティアの方が、正太郎のお手伝いに来てくれるよ。たくさんの人が力になって下さるんだって。よかった。本当によかった。」
と、ぼくに何度も、何度もくり返して言いました。そして、がってん隊の方とぽくの学校生活が始ま目リました。給食、昼休み、そして、清掃の時間に、毎日交代で十一名もの入達がぼくのために足を運んでくれました。

給食の時、魚の苦手なぼくに、身をほぐしてくれながら
「かんづめの魚のほねは、やわらかいから、食べられるんだよ。」
など、色々な事をやさしく教えてくれます。何よりもうれしかった事は、いつでもぼくのそばにいてくれるので、皆と同じように外へ行けるようになり、教室そうじから庭そうじへと進出をはたしたのです。その時も、
「ざっ草は、寒いのに元気だね。」
と言いながら、草むしりを手伝ってくれたリ、ダンゴムシをさわらせてくれたりで、そうじだというのにとても待ち遠しい時間でした。休み時間は、砂場に直行と決め込んでいましたが、どんなに暑い日でも、風が強くて砂ぽこりの中でも、いやな顔一つせずにずっとそとに立ってぼく達を見守ってくれます。
 「あ~あ。」      ’
と言いながら最後に、砂まみれのぼくのズボンをはらってくれるのです。ぼくはなぜか、ただうれしくて仕方ありませんでした。
 四年生になり、皆さんとお別れしなければならなくなくなリました。とても残念でした。
 「じやあ、またね。」
といつも通りの言葉と、変わらない笑韻が最後で、お礼すら言う事が出来ませんでした。
 がってん隊と言う名の本当の意味はわかりませんが、いつの日かぼくもぽくなりの方法で、困っている人のために、
 「がってんしようち。」
と走り回れる人間になりたいです。

いつもやさしい笑顔と、あたたかい手をさしのべて下さったがってん隊の皆さん、本当にありがとうございました。


編集後記

今年度初めて、子どもを中学校へ入学させました。大丈夫!と思っていましたが、親子
ともに、「中1ショック」「中1ギャップ」を経験しました。ずっと溜め込んでしまい、限界の状態で迎えた担任の先生との二者面談。泣きながらおこないました。今でも、その持
のことを思い出すと涙が出てしまい、なかなか笑って昔話のよう口話すことができません。

思い返せば、小学校入学の時もそうでした。学校に行かない!と言い張る子どもを無理矢理車に乗せ、学校に連れて行ったこともありました。初めてのところが苦手で、初めてのことが心配になるところが私にそっくりな息子。悩んでいる持は、「今までの子育てが失敗で、愛情が足りなかった。すべてのことを辞めて、この子だけのため私の時間を使えば改善される。」と思っていました。

そんな時、入学式でいただいた「いっしょに子育てガイド(思春期編)」に載っていた座
談会“思春期を語る”のページを読みました。「子育てをやリ直したい」と思っていた私
にとって、同じ悩みを抱えている方の話で、冷静さを取り戻せました。

このことも縁となり、今私は、あしかか子育て応援ネットの一員として、更に忙しく笑
顔で私の時間を使っています。

いつか、「中1ショック」「中1ギャップ」の経験を笑って話ができたら・・・、きちん
と先生にお礼が言えたら・・・いいなあと思っています。


あしかが子育て応援ネット代表 大島裕子
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