アドバイス:小児科医 浦部 延子

母親から離れられない子、登校をしぶる子

Q 幼稚園の頃から母親から離れず、お友だちと遊べない

子どもは母親から充分守られている、愛されていると思えなければ、母親から離れられません。何より安心させてあげることが第一です。「この子は困った子だ、何とかしなきゃ」と母親が焦ってしまうと、子どもはお母さんに嫌われてしまったのかと不安になり、なおさら母親から離れられなくなります。お母さんが動揺せず、本人が安心できるよう、じっくり向き合って抱きしめてあげてください。安心すると自然にお母さんから離れていくものです。

Q 朝になると元気がなく、腹痛、頭痛などを訴える

学校に行くことが、本人にとって辛くなっているのではないでしょうか?でも自分でもそれを意識することができないので身体に現れていると思ってください。「今は何か辛いのだな」と、子どもの心に寄り添って、出来るだけお話を聞いて、学校と連絡を取ったりして、安心できるようにしてあげて下さい。

Q 母親に一緒に学校に来て欲しいと言う

子どもは、母親が自分を心配して学校に来てくれるというだけで安心することが多いのです。できる範囲で、しばらくは子どもにつき合ってあげましょう。少しでもお母さんが自分のために時間を使ってくれるとわかると、それだけで納得する場合もあります。

Q 学校にいきたくないと言う

行きたくないと言えるだけ子どもの意志がはっきりしているのは良いことです。じっくり理由など聞いてあげましょう。頭ごなしにしかりつけたりすると、理解してもらえないと感じて自分の心を打ち明けなくなるかもしれません。行きたくないと思う自分を責め、無理して頑張って登校を続け、後になってもっと苦しくなって不登校になることもあります。とにかく子どもの気持ちを大切にしてあげてほしいですね。

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かっとなりやすく、乱暴な子

Q キレた時にはどうすればいい?

必ず本人なりの理由があるのです。それをうまく伝えることができなくて、キレてしまうのです。あわてないで場所を変えたりして、心が静まるのを待ち、じっくり話を聞き、うまく自分の気持ちを表現できるよう手助けしてあげましょう。

Q 家ではおとなしいのに、学校では困ることがあると言われた

ご両親やおじいちゃんなどが厳しくありませんか? 家では自分を抑え不満をためていて、学校で発散していることもあります。本人もそれに気付いていないことがあるので、学校や友人と連絡をとり、状況を見きわめていきましょう。

Q 日頃からどう接していけばいいでしょう?

こういった子は叱られることが多いので、自分をダメだと思って傷ついていたり、まわりの人間に対して警戒心を持っていることが多いのです。そして、それをうまくまわりに伝えることができません。「困った子だ」と思って接していると、逆に反抗的になって、事態を悪化させます。不器用な本人の傷ついた心を理解してあげましょう。

Q ADHD(注意欠陥多動性障がい)や
アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム症)かもしれない

最近、発達障がいのことがよく話題になり、症状を聞くと、自分の子どもも?と思う事があるかもしれません。誰にでもあるような性格、行動の事が言われたりしています。全く正常で、何も偏りのない人はいません。どの子にもある程度の偏りはあるものです。発達障がいであろうとなかろうと、子どもたちの困難な思いが周囲に通じず、追い詰められて、かっとなりやすくなってしまうものです。病名が付いても付かなくても、そのままの本人を受容し、気持ちに添って日々過ごして行くのが大切なことです。それでも心配だったら、たくさんの子どもたちを知っている保育園、幼稚園の先生と話してみて、必要なようなら、健康増進課、保健センターに相談してみましょう。

関連情報→●発達障害者の支援に向けた「サポートファイル」
(栃木県のホームページにリンク)

関連情報→お子さんの発達を心配しているおかあさんへ

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