足利市長 和 泉  聡 (2020度版応援メッセージ)

「あしかがいっしょに子育てガイド」の17回目の発行おめでとうございます。常に子育て家庭に耳を傾け、母子の心に寄り添った活動を長きにわたり取り組まれていることに、深く敬意を表すものであります。

日頃から、子どもの夜泣きやイヤイヤ期に悩むお母さんに、その対処を示すのではなく、「お母さん大変だね。私が少し抱っこしていましょうか?」と声をかけてあげられるスタッフだからこその、優しい思いがつまった、見やすい素敵な冊子ができるのだと思います。また、貴団体の発足時のリーダーの娘さんが母になり、今ではこの冊子を利用する立場になったことを聞き、これまでの活動の歴史に改めて驚嘆するとともに、地域での子育て支援が次の世代に着実に受け継がれている素晴らしさに感動しました。

私事ですが、一昨年初孫が生まれ、産後間もない赤ちゃんとその子を育てる母子の姿を日々目のあたりにしています。母となった喜びでいっぱいの娘ですが、ある日泣きながら落ち込んでいました。その原因を聞くと「ゲップが出ない」とのこと。「えっ、そんなことで!」と些細なことと驚きましたが、初めて母になった娘にとっては、一大事であり、一喜一憂する出来事なのです。不安や葛藤の中で子育てをするお母さんが、世の中にたくさんいることを改めて実感した瞬間でした。悩みながら子育てをするお母さんにとって「あしかがいっしょに子育てガイド」は、かつて同じように悩んだ先輩お母さんの目線で編集されており、たくさんの人が子育ての参考とし、「あってよかった」と思った冊子であると推察しています。

さて、足利市におきましては、かねてから多くの市民の皆様からご要望をいただいていた「こども医療費の現物給付」について、対象年齢をこれまでの「未就学児」から「中学3年生」までに拡大しました。さらに、市内企業から「未来を担う子どもたちのために」とご寄付をいただいたことをきっかけに「こども夢基金」を新設することとなりました。市民の皆様の「未来を担う子どもたちへの温かい思い」を大切にし、この貴重な財源を子育て事業などに活用していきたいと考えています。

全国的に、新たに生まれるこどもの数が減少し、高齢化が進み労働人口が減少する中、人口減少対策や移住定住化施策とともに、安心して子どもを産み育てる環境の整備などが重要となります。そのため、足利市では、妊娠期から出産・育児まで切れ目のない子育て施策の展開に努力しています。これに皆様の優れた子育て支援策が加わることによって、「子育てするなら足利市」と言われるようなブランド力の創出に繋がるものとおもいますので、なお一層のご協力をお願いします。

多くの人が、子育てが「不安で大変」なことではなく「人生に彩りを与えてくれる素敵な営み」と感じられる環境づくりになお一層努めていきたいと思います。