「思春期」を子と親と地域で一緒に!

医療法人恵愛会 青木病院 臨床心理士 長久保 勇輔
(2010・2011・2012・2013年度版応援メッセージ)

 今、皆さんのお子さんは「思春期」を生きています。「思春期」は子どもの身体から大人の身体に変わるだけでな<、子どもの感じ方から大人の感じ方へ、子どもの考え方から大人の考え方へ、子どもの対人関係の持ち方から大人の対人関係の持ち方へと、子どもの心から大人の心へと発達する時期です。

 お子さんは「思春期」に至るまでに「胎児期」「乳児期」「幼児期」「児童期」と様々な時代を通り抜け、今、ひとりの人間として長い歴史を背負って生きています。その自分史をお子さんが振り返った時、ほどよ<良い物語であるかどうか? その『心の物語の中間結果』が発表されるのがこの「思春期」になります。なかでも親御さんなど養育者との関係の歴史はお子さんの心にとってとても大切なものと言われています。

 ほどよく良い物語を生きてきたと感じているお子さんの心はほどよ<発達しているため、色々な悩みを持ち葛藤を経験して右自分の力で解決し乗り越えて、親から自立し社会へ向けて飛び立つ準備を始めることができます。一方、ほどよ<良い物語を生きてくることが難しかったと感じているお子さんの心の発達は足踏みしているため、自分の力で解決して乗り越えていくことは困難となり、親から自立していくことも難しくなります。そのような時、お子さんぱ行動の問題”や“身体の症状”の形で『心の物語の中間発表』をします。

 親御さんにとって子育ての物語がほどよく良いと感じられていれば、おそらくお子さんもそう感じられているでしょう。一方、親御さんにとって子育ての物語がほどよ<良いちのと感じられない時、おそらくお子さんもそう感じられているでしょう。それは子育ての参加者は親御さんとお子さんであって、互いに気持ちを共有しながら重ねてきたものだからです。

 子育ては時に楽しく、時に努力のいるものです。懸命に頑張っても行き詰まる時もあります。でも、ふと見やれば一緒に考えてくれる人は必ずいます。「思春期」というひとつの時代を、お子さんと親御さんとそして私たち地域と一緒にほどよく通り抜けて行きましょう。